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うちの考え方・栽培方法・自然農法とは

<2023/12/5最終更新>

プロフィール(生産者自己紹介)

 

自然のサンショウウオが住む畑です

 こちらは、和歌山県日高郡印南町の山あい地域です。(いわゆる、「限界集落」と呼ばれる地域でもあります。)

 最寄スーパーまで車で20分、最寄コンビニまで車で25分です。不便なこともありますが、自然がとても豊かな土地です。町から離れ、山に囲まれたこちらは、自然農法には最高の環境だと思います。MAPの航空写真等で、こちらの環境をご覧になってください。)

畑の見学は、有料・要事前予約です。見学について>

 

 30年以上前は、「ごく普通に」農薬、化学合成肥料を使っていました。しかし使えば使うほどに良いものができなくなりました。

自然農法の講習会などで勉強させていただきました。本を読み、実践し、失敗し、改良し、また実践し、を日々繰り返しています。

 

 1989年(平成元年)よりを自然農法(無農薬・無化学肥料)による栽培に切り替え、野菜もその後、自然農法(無農薬・無化学肥料)に切り替えました。

 

 は、2011年(平成23年)より、半分を無肥料に切り替え、2015年(平成27年)1月の施肥を最後に、すべての梅を無農薬・無肥料に切り替えました。※梅は、2019年3月より、酸性土壌緩和のため、必要な畑だけ、苦土石灰のみ使用。

 

 野菜(固定種・在来種のみ。F1不使用。)・梅以外も、すべて自然農法です。「無肥料」栽培か「無化学肥料」栽培かについては、それぞれのページに明記しております。

 

 

畑の中に自然のサンショウウオが生息しています。(家の前の畑)

イモリカエルトンボも。

無農薬・無化学肥料というだけでなく、より自然な環境をと考えています。

自然農法とは/栽培方法・なぜ植物性堆肥だけでないのか

 農薬や化学肥料を使わない、自然に則した農業です。自然農法の団体や考えはいくつかあります。

 

 自然農法のなかには、畑の外から肥料分を持ち込まない方法や、土を耕やさず草も取らないという農法もありますが、うちでは今のところ、耕して畝(うね)を作っています。うちでも、たいてい野菜と草が共生していますが、必要な時は草を刈ったり、時には取ったりしています。

 

 農薬や化学肥料を使ったものとは明らかに生命力が違います。

 梅は無肥料に切り替えましたが、野菜は、まだ無肥料ではありません。

 刈り取った草、自分たちの田んぼのわら、籾殻、米ぬかなどを肥料・土づくりとして使いますが、田畑以外から持ち込む肥料としては、土づくりとして、鶏糞堆肥(和歌山県内の養鶏をされている農場<飼料以外に青草を餌とする、平飼い、遺伝子組み換えの飼料は使わない、抗生剤は使わないという養鶏を行っていらっしゃるところです。一般に市販されている鶏糞とはかなり違います。>からいただき、きちんと発酵させたものを使います。鶏舎に使われる籾殻も含まれます。)と苦土石灰(苦土石灰は、自然界に存在するドロマイト原石を粉砕したものです。岐阜県のものを使用。)を必要分使っています。

 

紀伊半島の広葉樹(シイ・ナラ)と国産フスマのみを使用した、完全無農薬栽培の、きのこ廃菌床きのこは有機JAS認証取得>を入手できるようになりましたので、使用を開始しました。

また、畑の健康維持のため、ヨーグルト、納豆、イースト、砂糖・糖蜜などの糖類、海藻などの「食品」を、畑に使用することがあります。

 

 鶏糞堆肥などの動物性肥料は使わない方が良いという考え方もありますが、自分たちの田んぼからの米ぬか・わら、自分で集める刈り草や落ち葉など安心な植物性堆肥を、栽培に充分な量、確保するのは難しいです。

※動物性肥料を使わないほうが良いというのは、動物を飼育する時に使われた抗生物質などが、肥料を通じて、野菜にも入ると考えらえるためです。抗生物質を使うことで、抗生物質耐性菌が生じる可能性も心配されています。そのため、うちでは、遺伝子組み換え飼料や抗生剤を使わない鶏の鶏糞堆肥を使用しています。

 

 売られている、菜種粕などの植物性の肥料を使って、植物性肥料のみで栽培することも確かに可能です。しかし、植物性のものだからといって安全だとはいえません。(一般的に販売されている菜種粕は、遺伝子組み換えや薬品抽出の点で不安が大きいです。)

 

 もし菜種粕を使うとなると、遺伝子組み換えでない菜種を、薬品による抽出法ではなく、圧搾した菜種粕を使う必要が出てきます。そのような菜種粕は、一般に出回っておらず、かなり高価です。(それだけ栽培や製造に手間がかかった菜種粕なので、適正な価格だと思います。)

 

 そのような安心な菜種粕を買って使うとなると、かなりのコストがかかり、野菜の価格をかなり高くしないといけなくなります。子育て中の若いお父さんやお母さんに買っていただけない価格になってしまいます。

 

 現段階の自分達には、信頼できる鶏糞堆肥をきちんと発酵させたものを、必要最少限のみ、土づくりに使う方法がベストだと考えています。

人は昔から鶏を飼い、鶏糞堆肥は畑に使ってきました。必要分だけの鶏糞堆肥の使用は自然なことだと考えます。また、それが「循環」ということだと考えています。

<年々、畑に入れる肥料分の量が少なくてすむようになってきていますので、将来もっと年月が経ち、もっと土づくりがすすめば、ほぼ無肥料で、収量をあげられるかもしれないという感覚はあります。

ただ、無肥料の栽培には、長い年月をかけた土づくりのほかに、火山灰が降り積もりミネラル分が豊富など土質に恵まれているということも条件だと思います。また、野菜ごとの性質も異なりますので、完全に無肥料は難しいかもしれません。>

無肥料で栽培できると判断できた畑は、無肥料栽培にしています。

 

 

 

 

 

 梅(無農薬・無肥料)の栽培方法については、梅のページにも書いています。※梅は、2019年3月より、酸性土壌緩和のため、必要な畑だけ、苦土石灰(岐阜県産)のみ使用。

 

(日本における自然農法の流れ、それぞれの考え方・特徴については、『現代農業』<農文協>2010年8月号の特集が、客観的でわかりやすいと思います。)

 

 

冬は、山の畑のススキを刈り、野菜の畑に運びます。

畑に積んだススキは、自然に堆肥になっていきます。

そこには、カブト虫が卵を産みにきます。

 

 

 

農薬を使わないと虫食いだらけでは? 

 「農薬を使わないで虫はつかないの?」と思われるかもしれません。化学肥料を使わないこと、きちんとした土作りから始めることで、虫に負けない野菜になると考えていただくとわかりやすいと思います。

(虫は子孫を残すために、化学肥料等で栄養過多になった野菜に集まるという考えもあります。)

 

また種をまく時期を調整することでも、虫に食べられにくくすることができます。

ただ、畑は、微生物を含む、たくさんの生き物・虫がいる世界ですので、時期や、野菜の種類によっては少し虫に食べられます。

(天候不順で野菜が弱った時は、虫食いが多くなります。また、種まき後の野菜が小さな時期と、虫の多くなるタイミングが合ってしまった時も。)

 

 

種について 

固定種・在来種のみです(F1は使っていません。)

 「野菜を育てるときに農薬を使わなかったら無農薬じゃないの?」と思われるかもしれません。一度、ホームセンターなどで野菜の種の袋を手にとって、裏をご覧になってみてください。種の段階で農薬の処理をしているものがかなりあります。外国産の種や、F1(交配種)の種がかなりあることにも驚かれるかもしれません。

 

 自然農法では、野菜をその土地に合ったものにしていくために、自家採種(自分で種採りすること)が良いとされます。

うちでも、種をとれる野菜は種をとって翌年使っていますが、気候や場所の面で、まだ種採りが難しい野菜もあり、種を買う野菜もあります。

 種を購入する場合は、種子消毒(農薬処理)されていないものを購入しています。

 

 「F1種(交配種)は良くない。」という考え方があります。

(※F1種と、遺伝子組み換え種は、まったく異なるものです。F1を不安視する意見は、交配時に、おしべの機能を持たないものを使う方法「雄性不稔」をとることがあるということが不安視されるようです。)

 

F1種(交配種)が本当に良くないのかまだわからないのですが、種を購入する場合には、F1種は使わず、固定種や在来種を購入しています。

 

春。サンショウウオの卵。

畑の中には、山からの水が、しみ出す場所が何か所かあります。

サンショウウオは、そのような、わずかな水の流れがある、ごく浅瀬に卵を産むのが好きなようです。無農薬・無化学肥料というだけでなく、より自然な環境をと考えています。

山あいの地域の利点 

印南町西神ノ川地区は、まちから遠く離れた山あいにあります。

自然農法には、最高の環境だと思います。

(一度、MAPの航空写真等で、こちらの環境をご覧ください。)

 

水は、切目川の支流にあたる小川、西神ノ川からの水です。

※畑の土づくりができており、保水力がありますので、日照り等の時以外は、水やりをする必要がありません。

 

心身を健康に 

 病気になると、病院に行き薬をもらうということが行われています。でもそれで本当に病気が治ったのでしょうか?

 病気になるということには原因があります。薬の入っていない生命力のある食物を食べ、生活習慣を変え、心身を根本から健康にしていくことが大切だと考えます。

ニンニクは臭くない! 化学肥料の影響は大きいです 

 「ニンニク=臭い」とたいていの方は思っていらっしゃると思います。でも、ニンニクの臭いのほとんどは化学肥料の臭いだと思います。農薬も化学肥料も使わないニンニクはほとんど臭くありません。

 実際に自然農法の野菜を食べていただければ、農薬や化学肥料を使った野菜との味の違いがはっきりわかると思います。農薬や化学肥料を使わない自然農法の野菜では、子供の野菜嫌いはないと思います。うちの野菜で、子供さんの人気NO.1は、にんじん(生で丸かじり)です!

 野菜の苦味と思っているものが、化学肥料(農薬も?)の味かもしれません。

 

 農薬に気をつけている人は多いと思いますが、化学肥料を使うかどうかで、植物は大きく違ってきます。

 化学肥料には、野菜を大きく成長させるのに必要な成分が含まれています。しかし、野菜の成長には、それ以外の様々な成分・要素が必要なのではと感じています。

たぶん全部規格外です 

 うちの野菜は、草と共生したりして、自然に元気に育っていますので、大きさ・形は、さまざまです。

 うちの野菜や梅を大きな流通ルートで出荷しようとしたら、規程より小さかったり、大きかったり、曲がっていたり、・・・、ほとんど出荷できないと思います。たとえば、大根は決められた箱に入る大きさで収穫しないといけません。

 言われたとおりに農薬を使い、化学肥料を使っていれば、ある程度の収入は保証されます。でも、それは自分たちの目指すものではありません。

 

 農産物の本当のおいしさは、お店での評価と異なることがよくあります。うちではみかんを栽培していませんがみかんを例にとると・・・。小さいみかんは、お店では評価が低かったりしますが、小さい中にみかん1つ分のおいしさが凝縮されていて、大きいものよりおいしい場合がよくあります。

 

姿勢 

 (背景を見ずに)安いものを求める状況、外国から多くの農産物が入ってくる今の状況では、日本に(安全な)食べ物がなくなるのではないかと思います。

 身近な人・必要としてくださる方のために安全な食べ物を確保したいと自然農法をしています。

 そういう考えを理解してくださる方(+もし野菜に虫がついていても理解してくださる方)に購入していただきたいと思います。
 ですから、お送りする野菜・梅等は、自宅で食べているもの、我が家の子供が食べているものと全く同じです。

収量や見かけより、安全面を第一に考えています。

 

有機栽培ではないの? 

 「有機JAS」の認証を受けるには、機関の人にチェックに来てもらわないといけないため、うちのように多品目を栽培する場合は、年間かなりの手数料が必要になってしまいます。その分、野菜などの価格に上乗せしなければいけないことになります。

 そのため「有機JAS」の認証は受けていません。

 結局は、消費者と生産者の、信頼関係が一番大事だと考えています。(農家民泊を開き、消費者の方に来ていただいて、会ってお話しし、実際に畑を見ていただけるようにしているのも、そのためです。)

 

「有機JAS」で使用が認められている農薬や化学肥料も、うちでは一切使用していません。

 

イメージではなく 

 野菜など農産物の表示のことを、どれくらいご存知ですか?たとえば、「特別栽培」という表示の野菜があった場合、「特別のほうが、有機栽培以上に無農薬が徹底してるのでは!」とイメージしたりしていませんか?

 「特別栽培」は、農薬や化学肥料を通常の半分以下にした栽培法です。「有機栽培」「有機JAS」は原則、無農薬・無化学肥料ですが、使用が認められている農薬や化学肥料も複数あります。

 「有機肥料を使っています!」という表現なら、「化学肥料にプラスして有機肥料も使っています。」という場合もあるかもしれません。

 また、「有機栽培」・「オーガニック」という言葉の使用が規程されているのに対し、「自然農・自然農法」を名乗ることは規定されていないのが今の状況です。

 農産物に限りませんが、自分の口に入れるものについて、もっと自分で調べた方がよいかもしれません。子供、孫、ずっと先のことを考えると。

野菜を「作って」いません

 自分達は種をまきます。でも、野菜を作っているのではありません。

 野菜は、太陽の力、空気の力、土の力、水の力、無数の生き物の力、そして野菜自身の力によって育ちます。人にできることはなにもありません。

 自分達は、そう考えています。

 

すべてオープンにします 

 すべての情報をオープンにして、その上で判断していただこうと考えています。

 

 以前は、切花用に、千両(センリョウ)、ナルコユリ、シキミ(シキビ)等を栽培していましたが、切花も、ナルコユリ以外(千両・しきび等)は、2014年に自然農法(無農薬・無化学肥料栽培)に切り替え、ナルコユリも、2020年に栽培をやめました。
<切花は、農薬(除草剤を含め)や化学肥料を使用していたものもありましたが、野菜・梅・米などの畑とは、遠く離れた場所で栽培していました。>
現在、農薬(除草剤を含め)・化学肥料を用いる栽培は、切花も含め、一切、おこなっていません。

 野菜、梅、その他のものの栽培法などについてご質問がありましたら、お答えしますので、お気軽にお問い合わせください。

 

※現在、農家民泊・鍼灸治療院とも、お休みさせていただいております。

畑の見学は、有料・要事前予約です。(<見学について>

 

畑の様子を知っていただくために、Facebookページを作りました。

よろしければ、ご覧ください。矢戸田自然塾農園・農家民泊「矢戸田自然塾」Facebookページ。https://www.facebook.com/yatoda.shizenjuku